一ノ瀬ポトフの生活

趣味で書いたエッセイ的小話を順次アップしていきます

献血ボランティアの思い出

大学時代の半ば、献血のボランティアを休み中にしていた。

採血される人をやっていたのでなく、外で看板を持って献血のご協力を呼びかける、また、その他の雑務が仕事だ。

 

当時、最後にバイトしてからブランクがあった私は、すぐに金銭込みで働く自信が無く、自分が献血しに行った事をきっかけに、ボランティア募集の門を叩いたのだった。

最初の面談で、週何回、何時間出来るか等聞かれたが、あの頃、割と自由に決められた覚えがある。

献血の呼び掛けは、職員さんのを真似したり、自分で考えたり。

内勤ではラミネート加工や、配布資料の折り込み作業をしていた。

 

職員さんも他のボランティアさんも優しく、良くしてもらう。

次第にやりがいを感じ、こちらから「どうしたら献血者が増えるか」意見を出したり、ボランティア向けの新しいマニュアルを提案したりしていた。そして一部が採用。

 

立場上、求められることは最低限だし、それ以上頑張らなくても良いは良いけれど、熱心に取り組んでいた。

職員さんの話は興味深く、自分の意見や質問も、真剣に聞いてくれるのが嬉しかった。

 

社会人になってからバイトと社員、派遣、立場の違いはあれど等しく仲間だと思えたのは、この時の職員さんのボランティアに対する敬意を感じたからもあると思う。

また、内勤の際に同じボランティアの人とお話する機会もあり、年の離れた人との接点が出来たのも良かった。

 

自分が献血することが出来ないからボランティアしてる人、ボランティア自体が好きでやっている人と様々で、バレンタイン時期はどんなチョコを作るか迷っていたらアイデアを貰ってザッハトルテを焼いたりした。

 

これを始める前は、成功体験が少ない事で自信が無く、人も苦手でオドオドしていた。最初は挨拶すら、あまり声が出なかった。

でも、呼びかけや、ボランティア同士でお話等しているうちに一定のボリュームで明るく挨拶が出来るようになった。

また、給料が発生しない事によってプレッシャーから開放され、良い意味で自分のペースで働けた。

社会やら職でのブランクがある人には正直おすすめしたい。

 

最後に、一回この活動に熱心になり過ぎ、逆に辛くなってしまった時、他のボランティアさんからかけて貰った言葉で締めたいと思う。

「ボランティアはね、自分に余裕がある時するものよ」

それからは気持ちがだいぶ軽くなった。

あの時の方、どうもありがとうございました。